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[第4回] 工場・工業団地やオフィスで発生する「窃盗」への対策
2015年10月2日
今回は、ベトナムの工場・工業団地やオフィスで発生する「窃盗」への対策を説明します。前回、工場は「宝の山」である旨説明しました。ベトナムにおける窃盗の犯人は、残念ながらほとんどが「内部犯行者」と言われています。内部犯行者とは、工場ワーカー、オフィススタッフ、出入り業者、運転手、警備員など多岐に渡ります。
(4)工場・工業団地内で窃盗にあう物品ランキング
過去に弊社が対応した事件を通して、工場・工業団地内で狙われる物品ランキングを作成しました。それを以下に記載します。
?ごみ、廃材(銅線、鉄くず、プラスティック、段ボール、ビニール袋など)
?工具
?材料
?現金(事務所、ロッカー内)
?パソコン、電子機器(デジタルカメラ、スマートフォン)
?ヘルメットおよびバイクシート内の貴重品
?半製品
?避雷針(銅線)
?バイク(工具や配線直結でエンジンを起動)
?ガソリン(バイク・車両のタンクから抜き出し)
(5)対策について
窃盗の対象物品がどこに存在するかを把握して、エリアごとに対策をするのが効果的です。
【エリア:駐輪場、対象物品:バイク、ヘルメット】
基本的にバイク・自転車は、二重錠での施錠をお勧めしています。またヘルメットも窃盗防止のため、シートの下のスペースに格納する習慣を付けさせることをお勧めしています。それでも窃盗が多発する場合は、監視カメラを設置して、犯罪を未然に抑止し、事件発生後の捜査に効果的な証拠保存をします。
【エリア:フェンス、境界壁、対象物品:工具、材料、半製品など】
最も多い事例は、フェンス越しの窃盗品投げ出し、または受け渡しです。基本的な対策は、フェンス付近の見通しの確保です。植樹に注意し、植木や草などは適宜伐採や草刈りを行い、常に見通しを良くすることをお勧めします。システム的な対策としては、外周に赤外線センサーや監視カメラを設置することが効果的です。
【エリア:オフィス、廊下、対象物品:パソコン、電子機器、現金など】
ベトナムのオフィスで発生する窃盗の多くは、オフィスが無人になった隙に発生します。部屋の出入りが自由で、かつ監視カメラなどが設置されていない場合は非常に危険です。またベトナムは、建築法や消防法が未整備なため、建物の共用部(廊下やトイレなど)と専用部(オフィス)の境界の天井裏が筒ぬけになっています。オフィスが無人になるまで、トイレなどに隠れていて、無人になった隙に天井裏から侵入して窃盗を働くという事例が多くあります。
物理的な対策としては、天井裏の境界部分に柵や壁を作り容易に専用部に侵入できないようにします。またオフィス内のパソコンなどはワイヤーロックでの固定や施錠可能な保管庫に収納するなどの対策が効果的です。
システム的な対策としては、部屋の出入りをコントロールする出入管理システムがあります。
最近はカード式だけではなく、指紋などの生体認証を利用した出入管理システムも増えてきました。また室内には監視カメラを設置することで、犯罪抑止と証拠保存を実現することが出来ます。天井などからの侵入をいちはやく検知する方法としては、人感センサーの設置をお勧めします。夜間無人になった際に、侵入者を検知し警告音を発したり、警備会社へ通報することが出来ます。
【エリア:ロッカールーム、対象物:個人所有物、貴重品など】
基本的な対策としては、個人ロッカーの施錠を徹底すること、施錠には簡単に破損できないような錠前を使うことです。その上で、ロッカー内には貴重品を保管しないよう従業員に周知徹底することです。また、ロッカールームの出入り口に監視カメラを設置し入退出を記録することで犯罪抑止を期待出来ます。
上記のほか、工場内の作業エリア、入出荷エリア、屋根・屋上など、それぞれのエリア毎に対策を行います。
では、次回から数回に分けて監視カメラや赤外線センサー、出入管理システムなど警備に使用するシステムについて具体的に説明します。
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