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[第6回] セキュリティ対策 その2 ?監視カメラ?

2015年11月26日

前回、各警戒線で共通する対策として「監視カメラ」があると説明しました。

今回は、「監視カメラ」について具体的に説明します。

 

(7)監視カメラ

監視カメラの種類

ベトナムにおいても、近年、日本と同等の最新機能を搭載したカメラを入手できるようになりました。
手先などの細かい部分まで撮影出来る高感度のものや、夜間の赤外線カメラ、スマホやタブレットから画像を閲覧出来るネットワーク型のIPカメラや、極小型(の隠し)カメラなどなど、利用方法・場所によって最適なものを選ぶことが出来ます。最近では、日本のオフィスからベトナムの工場内を監視するケースも増えて来ました。
写真1が、一般的なボックス型カメラです。工場の外壁など屋外に設置されることが多く、雨や風に強いヘビーデューティ仕様で、侵入者に対する威嚇効果も期待できます。

 

写真1

写真1

 

写真2のドーム型カメラは、建物の内装となじみやすく目立たないため、店舗やオフィスで設置されることが多いです。レンズがどの方向を向いているかが(侵入者にとって)判別しにくいというメリットがあります。

写真2

写真2

 

写真3の可動式カメラは、固定式のボックス型やドーム型と比較して撮影範囲が広角になります。ただし、当然ではありますがレンズが向いていない方向は死角になります。

写真3

写真3

 

なお、最近は、従来のアナログ方式からIP方式のカメラが主流になりつつあり、その理由は、次の3つのメリットによるものです。

 

第一に画像の解像度が違います

写真4  最新のIP方式カメラの画像

写真4
 

写真5  従来のアナログ方式カメラの画像

写真5

 

中央に掛っているカレンダーの日付を見ると、違いがはっきりわかります。これは、例えば製造工程や現金を扱うような場面で、手先の動きを正確に記録しておきたい時に有効です。

 

第二に、IP方式のカメラは、LANケーブル一本で画像データと電源供給の両方を可能にします。従来のアナログ方式の場合、画像用のケーブルと電源ケーブルの両方を敷設する必要がありました。配線がシンプルであるということは、導入コストもメンテナンスコストも安く済みます。また、ベトナムで頻発する停電についても、ネットワーク上の機器(ハブなど)にUPS(無停電電源装置)を付設することで、数時間程度の停電であれば対応できるようになって来ました。停電の間は窃盗などの事件が発生しやすい条件が揃いますが、従来のアナログ方式の場合、UPS設置時にUPS・カメラ間の距離に制限がありました。

 

第三に、IPカメラの映像は、容易にお手元のスマホやタブレットから画像を確認することが出来ます。従来のアナログカメラも、機器やネットワーク構成を工夫すれば可能でしたが、IPカメラは、さらに容易になりました。

 

写真6 スマホで監視カメラ画像を確認している様子

写真6

 

この機能を有効活用している例として、ある食品工場では、日本の本社からベトナム工場内の製造工程を全てIPカメラで画像確認・保存されています。
なお、本機能を利用する際は、外部から社内ネットワークにアクセスするためネットワークセキュリティ(ファイアウォールなど)面での考慮が必要であることを付け加えておきます。

 

監視カメラの設置について

監視カメラは、慎重に計画して適切に設置してはじめて、十分にその効果を発揮することが出来ます。設置に関する主なポイントを挙げます。

 

(1)リアルタイムの監視なのか、後で記録映像確認のためなのか設置の目的を明確にする。
(2)設置場所、台数、撮影方向、画角などを適切に設定する。
(3)照明器具などで撮影場所を適切な照度にする。
(4)画質、記録間隔、記録時間など、映像記録の方法を適切に決定する。
 

最近はデイナイト機能を搭載した監視カメラが主流になっていて、夜間でも撮影が可能になりました。

 

写真7 デイナイト機能搭載の監視カメラの映像

写真7
 

監視カメラのメンテナンス

カメラを長年使用する場合は、メンテナンスが必要になります。カメラを設置しても、継続的なメンテナンスが不足しているため、有効に使われていないケースが散見されます。

 

下のイメージのように、何者かによって監視カメラの方向が変えられたため、画像を正確に記録出来ていないケースもあります。

 

イメージ  監視カメラが天井に向けられた状態

イメージ
 

監視カメラを導入したとしても、正常に機能していないと意味がありません。当然のことですが、故障している監視カメラは修理か交換し、正常な方向を向いていない監視カメラは、方向調整をする必要があります。監視カメラおよび録画装置については、本来の機能を有効に活用するために、次のポイントを確認することを推奨します。

 

(1)録画装置の時刻にズレは無いか?
   証拠画像として使おうとした際に時刻がズレていては話になりません。
(2)画像の乱れは無いか?
   機器やケーブルの劣化、電波などの外部要因で画像の乱れが発生します。
(3)レンズ汚れによる不明瞭な画像
   鳥などの小動物の糞やホコリなどを記録し続けても意味がありません。
 

特に、劣化した機材はリニューアルすることを推奨します。交換時期のおおよその目安ですが、録画装置内蔵ハードディスクの寿命が、20,000時間から30,000時間です。またUPSのバッテリーは、通常は5年程度を交換目安としていますが、ベトナムの場合、環境(気温)により2?3年での交換を推奨しています。

 

次回は、同じく第一次警戒線で使用される赤外線センサーについて説明します。

 

 

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安立 光孝

プロフィール

ALSOK (Vietnam) Co.,LTD.
代表取締役社長
安立 光孝

コンピュータメーカーで17年間システムエンジニアとして従事。製造業における生産管理システムやファクトリオートメーションシステムの構築を担当。1998年から4年間、米国シリコンバレーに駐在し、ITセキュリティのベンチャー企業を発掘、日本市場への参入を支援。2007年に綜合警備保障株式会社(ALSOK)入社。新規事業の「情報警備」事業を立ち上げ、2014年4月より現職。

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