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[第12回] 会社設立後の手続き?会計編?
2016年3月24日
過去数回にわたって、日本企業がベトナムに有限会社設立をした後に必要な手続きについて紹介させていただいています。今回は会計面ついてみていきたいと思います。
?会計期間
原則的に、企業は12月を末日とする会計年度を導入しなければなりません。ただし、事前の税務当局への届出を行うことにより、3月、6月、9月末決算も選択することが可能です。
実務上は日本の親会社と会計期間を合わせるか、連結決算を考慮して親会社の決算日より3カ月以内の早い月末にすることが多いです。
?法定監査及びチーフアカウント
ベトナムの会計法の下では、外資企業はチーフアカウンタントを任命しなければなりません。外資企業でのチーフアカウンタントは下記のような基本的な能力及び資格を有する必要があります。
============『チーフアカウンタントに必須の能力及び資格』============
・専門学校又は大学卒
・会計実務経験が2年以上(専門学校卒は3年以上)
・英語、日本語、韓国語、中国語等の語学力
・チーフアカウントの資格認定書の保有
※チーフアカウンタントを雇用できない場合は、会計事務所等の外部委託のチーフアカウンタントと契約をすることが認められています。
また、外資企業は、ベトナムの監査法第37条により、毎年度の財務諸表に独立監査人の監査を受けなければならないと定められています。このため、外資企業は親会社が日本で監査を受けている、受けていないにかかわらず、上場・未上場にかかわらず、監査を受ける必要があります。
?ベトナム会計制度の特徴
ベトナム財務省は2006年3月にベトナム会計基準を公表しています。これにより、勘定科目体系、財務諸表、会計書類、会計帳簿が体系化されました。ベトナム会計基準には、使用する勘定科目・勘定コードや会社が作成する財務諸表の詳細な様式、証憑書類及び会計帳簿が規定されており、全ての会社はその様式に従わなければなりません。
また、ベトナム会計基準はIFRS(国際会計基準審議会(IASB)によって設定された会計基準の総称)をベースに作成されていますが、2003年までに発行されたIFRSを基準に策定されています。
上記の点が、日本人がベトナムの会計制度に違和感を持つ大きな原因であるとも言えます。
?表示通貨
ベトナムの法律により、会計帳簿や財務諸表等の表示通貨は原則としてベトナムドン(VND)になりますが、外貨建ての取引が多く発生する外資企業については事前申請することにより、外国通貨を使用することも認められています。
?会計ソフト
ベトナムにおいては原則的にベトナム語で記帳を行わなければならないため、ベトナムの会計ソフトが使用されることが一般的です。代表的なソフトとしてはFASTやMISAなどがあります。
(es Networksでは、記帳代行サービスも行っております。詳細は、下記のお問合せまで)
上記は2016年2月29日現在の状況で、ベトナム国では法律の改正が早く、また法律の整備・運用が不明瞭で実際はグレーな部分が非常に多いです。実際の会社設立時には弁護士事務所やコンサルティング会社等、専門家に相談しながら会社を設立することをお勧めします。
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※コラム内容は、株式会社エスネットワークス出版の「ベトナム事業運営マニュアル」より一部抜粋。
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