会計・税務・監査・進出支援 SOLTEC TRADING(前編)
ベトナム南部のホーチミンで、日系企業のベトナム進出支援を行なうSOLTEC TRADING。「チャイナ + 1」として注目されているベトナムで、日系企業のベトナム進出支援を軸に、様々な事業を積極的に立ち上げ、急成長している同社代表取締役の宮本昌氏にお話を伺った。
まず、御社の事業内容について教えてください。
弊社、SOLTEC TRADINGは2012年に設立しまして、日系企業様のベトナム進出支援事業を行っています。
具体的には、ベトナム工業団地代理店事業、ドライバー付きレンタカー事業、ベトナム進出総合情報ポータルサイトであるハローベトナム(進出マニュアル.com)の運営を行なうWEB事業の3つになります。
設立された時の事業は、ベトナム工業団地代理店事業からのスタートでしたが、どのようなきっかけだったのでしょうか?
もともと弊社は、SOLTEC VIETNAM COMPANY(プラント設備の製造、据付事業)からの出資を受けて設立したという背景があります。
よって、実際にベトナム進出を経験した親会社が存在するため、その経験をもとに進出支援ができるという点が、弊社の優位性だと思い、ベトナム工業団地代理店事業を始めました。また、他社との差別化として、進出に関わる相談やアテンドはすべて無償(一部レンタカーサービスを除く)にて提供しています。この2点が、弊社の強みだと思っております。
この強みを生かしたサービスの提供により、設立1年目は、150社以上の日系企業様を工業団地へアテンドさせて頂きました。
設立1年目で、150社以上の日系企業の工業団地アテンドは、すごい数字ですね。設立1年目でありながら、なぜここまで日系企業の工業団地アテンドができたのか、ベトナム工業団地代理店事業についてもう少し詳しく教えてください。
ベトナム工業団地の代理店事業は、当初は、親会社のSOLTEC VIETNAM COMPANYが進出しているNhon Trach3工業団地のみの案内でした。しかし、ご案内をさせて頂く中で、企業様の業種や事業内容によっては、よりメリットを享受できる工業団地がベトナムには存在していることから、日系企業様より適した工業団地をご紹介できるように、複数の工業団地と代理店契約を結び、ベトナム工業団地の総合代理店として活動しております。
各工業団地の違いについてですが、弊社が代理店契約を結んでいる工業団地のお話になりますが、Nhon Trach3工業団地は、地盤が強固であることがポイントの一つとしてあります。地盤が強固であることとは、特に鉄鋼業など、重量物を扱うことが多い企業様にとって理想的な立地です。なぜなら、地盤が弱いと、業種によりますが杭を打ち強度補強をしなければなりません。つまり、建築にかかるコストを軽減することができます。
Nhon Trach3工業団地内のレンタル工場
他に、KIZUNA JV工業団地は、サービスファクトリーと呼ばれているのですが、法人設立から全ての手続きを親切丁寧にアドバイスしてくれます。また、日本語を話せる現地スタッフだけでなく、日本人がいるので、海外進出時の問題としてよくある言語の違いによるストレスを減らすことができます。
もちろん、他の工業団地にもそれぞれメリットがあります。進出される日系企業様の業種、事業内容だけでなく、ベトナム進出にあたり、何を最も重視されているのかをヒアリングさせていただき、弊社からご提案させていただき、一番適した工業団地をご案内する。それができるのが、複数の工業団地を代理店契約を結んでいる弊社の特徴です。
複数の工業団地と代理店契約をしているからこそ、進出を検討している日系企業に対して、幅広い提案ができるのですね。他も狙いがあるとのことですが?
はい。これは副次的なものになりますが、各工業団地のサービスクオリティーの向上があります。実は、ベトナムの工業団地は、各工業団地同士の横のつながりが非常に薄い業界です。そのため他の工業団地が、どのようなサービスを提供しているかを、あまり知らないのが現状です。
弊社では、日本で定期的にベトナム進出を検討している日系企業様向けに、ベトナム工業団地セミナーの共同開催を行なっております。ご参加いただいた日系企業様からは、一度のセミナーで複数の工業団地のお話が聞け、自社に適した工業団地の検討がついたなど、ご評価のお声をいただくことが多いのですが、実は開催者側として参加した工業団地からも、他の工業団地のサービス内容を知ることができて、自分たちのサービスの足りない点が分かった。と言葉をいただきました。
結果として、ベトナム工業団地セミナーの共同開催することが、工業団地間の横のつながりを生み出し、他の工業団地のサービスを知る機会となり、工業団地間で競争を起こし、各工業団地のサービスクオリティーが向上します。私は、このサービスクオリティーの向上が、ベトナム進出を検討されている日系企業の進出リスクの軽減につながると考えております。
現在(※)は、5つの工業団地と代理店契約を結んでおりますが、2014年上期までには10の工業団地と代理店契約を結び、ベトナム南部における工業団地の総合代理店として活動していく予定です。
(※2013年10月時点)
SOLTEC TRADING 代表取締役 宮本 昌
関西学院大学法学部を卒業後、メーカーに就職し、経営企画事業部に所属。
その後、株式会社リクルートに転職し、法人向けコンサルティング営業を担当。
2011年ベトナムに渡り、増加している日系企業のベトナム進出をサポートすべく、2012年4月にSOLTEC TRADINGを設立し、同社代表取締役に就任。
日系企業ベトナム進出支援を軸に、様々な事業を展開中。