1.スケジュールの確認

帰任命令が出てからは後任者への引継や関係者への挨拶、送別会などで色々と慌しいものです。その中で凡その帰国日を決めてから逆算し、引越しする日を決め、勤務先から了解を得るために引越しの見積りをとり、引越し業者へ見積もり依頼をする、という流れで進めていきます。

赴任引越し同様、３月末?４月にかけて人事異動がある企業が多いので、当然ながら引越し会社も混み合います。帰任の辞令が出たらなるべく早目に行動に移しましょう。

2.引越し会社の選定

会社が引越し費用を負担する場合は、多くの場合個々の企業が定めた負担限度額や物量限度が存在します。まずこの規定を確認することが大切です。一番自分に合った輸送方法、スケジュールを組むよう業者に依頼しましょう。

業者選定のポイントは料金のみならず配達までの所要日数や日本での配達時のサービス、荷物事故が発生してしまった場合の対応など、総合的に判断します。引越しはアナログな業務で「人対人」です。営業マンとの短時間の会話であっても、適切なアドバイスをしてくれる、親身になってくれる、という点も業者選びには欠かせません。

3.業者との打ち合わせ

業者が確定したら、引越し日、帰国日、配達先住所、配達希望日など具体的な打合せをし、スケジュールを確定させます。

4.注意

見積り後に家具を購入したり、沢山のお土産ものを戴いたりと、荷物が当初想定していたより増えてしまうことがあります。場合によっては会社負担限度を超えてしまい、引越し費用の一部を自己負担しなければならなくなる、ということになりかねませんので、大きいものを購入する予定がある、荷物が増える可能性がある場合は下見・見積り時に営業マンに伝えてください。

また高額で新品のものは日本で課税対象になりますので、購入予定がある方は引越し会社に事前に相談してください。

5.荷物の選別と梱包

手荷物として持ち帰るもの、航空便で送るもの、船便で送るもの、処分するもの、同僚や友人に譲るもの等の選別をします。引越し当日に選別をしていると梱包作業が進みません。

ベトナムにはコピー商品が多いですが、当然それらは日本への持ち込みが禁止されています。廃棄するか譲るか、処分しなければなりません。

自分で梱包をしたい場合は、業者に依頼すれば事前にダンボール箱を配達してもらえますが、壊れ物などの梱包は業者に任せた方が破損のリスクは低くなると思われます。

6.引越作業当日

ベトナム人と日本人の感覚は異なります。金銭感覚だけではなく物に対する価値観が異なることもあり、壊れやすいものであっても乱暴に扱われてしまう危険性もあります。引越し業者の立会いの日本人スタッフと話しをしながら、確実な作業を進めましょう。

お荷物を搬出するために規制を設けているアパートがあります。公共料金は全額精算しているか、管理費を払っているか、等を証明する領収書がなければ搬出が許可されない場合もあります。また、エレベータを管理するセキュリティーに対して特別に使用許可申請をしなければならないこともあります。搬出の前にアパートのマネジメント、セキュリティーにご確認下さい。

7.輸送保険

任意ですが万一に備えて保険をかけることをお勧めします。通常海外引越の場合はオールリスクの保険で、輸送中に発生した破損、損傷などをカバーすることが可能です。加入手続きは引越し会社が代行しますが、企業により指定保険会社がある場合があるので、勤務先企業の担当者に確認しましょう。（保険とは損害を補填するものであり、加入者に利益をもたらすものではありません。）

8.日本に到着したら

到着空港の税関で、荷主が「別送品申告」をする必要があります。この申告をすることにより、免税輸入できる権利が与えられます。申告をしなければ権利を放棄したと見なされ、原則として引越し荷物に課税されることになります。

しかし温情として再度免税輸入の権利を与えられることもありますので、申告しなかった場合は速やかに引越し業者に相談して下さい。（これは法律で明文化されたものではなく、あくまで税関が定めた特別措置であるため、必ずしも免税輸入できる権利を与えられるわけではありません）