オフィス事情
オフィスの種類
オフィスビル
A、B、Cのクラスに分かれます。Aクラスは中心部に多く、床面積が広く、インフラ、セキュリティーもしっかりしています。賃料はハノイでは40US$?、ホーチミン市では40US$?、ダナンでは14US$?。BクラスはAクラス物件と比較して一般にインフラやセキュリティーサービスがやや劣ります。賃料はハノイ25US$?、ホーチミン市では20US$?、ダナンではAクラスと価格的には変わらず14US$?となっています。Cクラス はハノイではハイバーチュン区や市街西部などに多く15US$?。ホーチミン市では1区、3区の中心部のほか、郊外のフーニョン区などにもあり約20US$?。
商業物件(リテール)
小売業、レストラン、マッサージ・スパ・美容などの商業物件については、一軒家をすべて借りるか、複合目的ビル、ホテルなどにテナントとして入居するかのどちらかが主な選択になります。今までは、一棟丸ごと借りて、住居兼店舗として活用する場合が多かったのですが、複合目的ビルの建設が相次いでおり、ビルにテナントとして入居するケースも増えています。ベトナムを市場として捉え進出を検討している外資企業も増えておりますので、需要が供給を上回る需給ギャップが生じている地域も発生しています。それらの地域の不動産価格は決して安くはありません。
一軒家
一部を間借りしたり、1軒全部をオフィスとして使用。全部の場合、賃料は約700US$?。中心部のほか郊外にも点在し、ヴィラタイプもあります。空き巣に狙われやすい物件もあり、セキュリティーをしっかりする必要があります。
アパート
スタッフが1、2人の会社の場合、アパートの一室をオフィスとして使用する場合があります。ハノイでは市街西部にこのタイプが多いが、高層のコンドミニアムタイプで賃料は750US$?。ホーチミン市では1区やビンタン区など各地域にあり、賃料は地域によって異なるが約200US$?。なお、ベトナム政府の方針により、オフィス兼自宅としての使用は規制の方向に向かっています。
バーチャルオフィス
ベトナムでの滞在は短期出張がメインなど、オフィスを借りるまでの必要がない時に便利。また、会社設立申請時に登記のための事務所の住所としても使用することができます。
オフィスおよび商業物件の探し方
オフィスのタイプと条件を決める
オフィスの場所(ロケーション)、タイプ、特殊条件など、まずは何を優先するかを決めます。優先順位が決まれば、いくつかの候補をピックアップします。その上で、当初の予定を修正して優先順位を変更するか、あるいは当初のままで詳細に調査をするかを決めるのがよいでしょう。
業者に頼むか自分で探すか
ベトナムの不動産物件には、さまざまなブローカーが群がっています。ブローカーの数が多くなると当然賃料に跳ね返ってきます。
ベトナムの事情に詳しい方は、自分で探すことも可能ですが、そうではない方は信頼できる業者に依頼するのが安全でしょう。契約後さまざまなトラブルが発生した場合も、相談に乗っていただける事業者を選ぶことをお勧めします。不動産事業者は、それぞれ取り扱いの方法やサービス内容が異なりますので、紹介の方法や料金の有無について確認してから、納得のいく説明をする業者を利用してください。
自分で探す場合は、街で「OFFICE FOR LEASE」と書かれたビルなどが対象になります。また、ベトナム人の知人や部下に依頼する方法もありますが、複数の内覧をした後に結論を出すことをお勧めします。個人に頼む場合も結局は、依頼を受けた人がブローカーと同じように陰で手数料を受け取っているケースもあります。そのようなことが発生する前提で、依頼をすべきだと思います。ベトナム語が読めるなら、路上で売っている新聞『ムアバン/mua&ban』(3000ドン/約15円)で探すこともできます。
『ムアバン』は日刊で新しい物件情報が多く、ウェブサイトwww.muaban.netもあります。そのほか、口コミも貴重な情報源となります。
カメラとチェックシート持参で下見
気に入った物件があれば、下見へ。不動産仲介業者からの紹介の場合は、下見に同行してくれる場合が多いです。通勤の所要時間やオフィスの周囲の環境、できれば昼間と夜間の環境をチェックしましょう。カメラを持っていって物件を撮影をしておくと何かと役に立ちます。希望条件のチェックシートを用意して実際に合っているかを確認し、細かいことでも必要があれば大家と交渉しましょう。
物件は手付金と覚書でおさえる
借りたい物件が見つかった場合、口約束では他のお客様が現れた場合にそちらを優先される場合があります。特にベトナムでは金銭の支払いが最優先です。先着の話であっても、その上数日後に支払いを約束した場合でも、次に来たお客さんが支払いを済ませてしまえば、そのお客様との契約が優先されます。したがって、物件を押さえておきたい場合は、管理会社や大家にデポジット(預託金)を支払うことが必要です。所持金がない場合は、デポジットの一部の支払いでも有効です。その場合にデポジットの受領書と覚書を交わし、署名をもらいましょう。ただし契約にいたらなかった場合は、一度支払ったデポジットは返還されませんので、安易な手付けはしない方がよいと思います。