小児医療
ベトナムと日本との生活環境の違いによる子どもへの影響
街中をバイクで走っている様子を御覧になってもおわかりのように、ベトナムでは子どもの事故に対する意識は非常に低いと言わざるを得ません。そのためか住環境においても子どもの事故防止についての配慮が乏しい住居が殆どです。特に乳幼児のお子さんと一緒に生活される御家庭では、お子さんが転んだときや家具にぶつかったときなどに、大きな怪我にならないような住環境を整えてあげることが必要です。ベトナムでは床が石造りであることが多いですので、フローリングを選ぶか、またはカーペットを敷いてもらうといった工夫が望まれます。角が尖っている家具や段差などにも気をつける必要があります。
デング熱予防のために蚊に刺されにくい、喘息などの既往がある方にとっては空気が汚れていない、一般の救急車は利用しにくいため緊急時に速やかに医療機関に受診できる、ということなども子どもの健康を守るためのポイントとなります。
ベトナムで子どもが生活するにあたっての注意点
交通事故
ベトナムではバイクが歩道を普通に走っていますので、歩道を歩くときでもバイクによる事故に気を配る必要があります。ふくらはぎをバイクのマフラーに接触してやけどを負ってしまう方がたくさんおられます。外を歩くときには、バイクに接触しないように広い道を選ぶ、肌を露出しないような服装にするといった配慮が必要です。
常備薬
日本で服用しているお薬がベトナムでは手に入らないことがしばしばあります。一般的な病気に対しては代わりのお薬などで対応が可能ですが、特別な病気に対するお薬は入手が困難です。入手困難なお薬に関しては、あらかじめ日本の病院でたくさん処方してもらっておくなどの対応をしておかれたほうが良いでしょう。
風邪薬などは街中の薬局でも購入できますが、分量が日本とは違うことと、お子さんにどうしても必要なお薬は少ないことから、常備薬としての使用はあまりお勧めできません。常備薬をご希望の場合は、病院やクリニックで必要なお薬を処方してもらうほうが良いでしょう。
医療保険
日本では国民皆保険制度のおかげで、子どもがお金がないために必要な医療が受けられない、ということは殆どありません。しかしベトナムでは経済的理由により医療内容が決められてしまうということが現実です。一般的な日本人の感覚からして、お金がないために子どもに必要な医療をあきらめる、という選択はそう簡単に出来ることではありません。特に輸血などを必要とする場合などは、血液の安全性の面から緊急的に外国の病院に搬送したほうが良いこともあります。そういった場合、多額の医療費が必要になり、病気のことだけでなく経済的にも負担がかかります。医療保険があれば、少なくとも経済的な面に関しては負担を軽くすることが出来ますので、医療保険には是非加入しておかれたほうが良いでしょう。
育児について
日本に比べると、ベトナムでの育児環境は決して良くはありません。町の中心部は、大気汚染や騒音、子どもを遊ばせる場所がないといったことなどから、恵まれた環境とは言えません。最近、郊外の住環境が整備されてきましたので、以前に比べて改善されてきています。日本の食材なども手に入れやすくなってきたため、それほど不便を感じないでしょう。しかし、外国での生活はどうしてもひきこもりがちになってしまいます。子ども向けの様々なイベント、ダンススクールやスポーツチームなどの子どものコミュニティもたくさんありますので、積極的に参加していただければ、子どもたちも充実した海外生活を送れることでしょう。
育児に関して役立つウェブサイト
KOSODATE119ドットコム:http://kosodate119.com/
子育てインフォ:http://www.shimajiro.co.jp/kosodate/
赤ちゃん&子育てインフォ:http://www.mcfh.or.jp/
世界子育てネット:http://www.sweetnet.com/