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[第1回] ベトナムへの進出について
2014年9月15日
はじめまして。アンダーソン・毛利・友常法律事務所の三木康史と申します。
ベトナムの法律問題を担当させて頂きます。どうぞ宜しくお願い致します。
初回ですので、まずは、簡単に当事務所の紹介をさせて頂きます。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、日本の四大法律事務所の一つです。東京の赤坂に本店があり、名古屋、北京、上海、シンガポールに支店を持っています。ベトナム、タイ、インドネシア、ミャンマー、マレーシアなどASEAN各国に関しては、それぞれ現地の有力な法律事務所に出向者を送り、現地の弁護士と一緒に、日本企業の進出や日系現地法人の法律問題についてアドバイスを行っています。私も、2012年から、ベトナムのトップ・ローファームであるVILAF法律事務所のホーチミン本店に、出向という形で勤務しています。
VILAFにおける私の業務の柱は、3つあります。
一つ目は、「日本企業によるベトナム企業に対するM&A」です。具体的には、日本企業がベトナム企業の株式を買い取り、子会社化するという案件がメインです。
二つ目は、「日本企業によるベトナム現地子会社の設立」です。
三つ目は、「日系現地子会社からの相談対応」です。よくある相談としては、解雇などを巡る労務相談、模倣品などの知的財産に関する相談が挙げられます。
これらの案件を通じて得た経験を元に、これから、ベトナム進出に関する法律問題について具体的に解説させて頂ければと思います。
1 日本企業のベトナム進出
ここ数年、日本企業を含む多くの外資系企業がベトナムに進出しています。
下記の表は、過去3年間の日本および世界からベトナムへの投資件数・投資金額をまとめたものです(JETRO資料より)。
いずれも、新規投資と拡張投資を合算したもので、認可が取り消された案件も一部含まれています。新規投資とは、文字通り、新たにベトナムに進出して来た企業を意味し、拡張投資とは、既にベトナムに進出済みの企業が追加で投資を行ったことを意味します(例えば、工場の拡張など)。
日本 | 世界 | ||
投資件数 | 2011年 | 285件 | 1,465件 |
2012年 | 444件 | 1,837件 | |
2013年 | 500件 | 2,120件 | |
投資金額 | 2011年 | 2,439百万ドル | 14,696百万ドル |
2012年 | 5,593百万ドル | 16,348百万ドル | |
2013年 | 5,875百万ドル | 22,352百万ドル |
上記の表のとおり、外資系企業のベトナムへの投資は順調に増えており、かつ、中でも日本の占める割合が大きいことがわかります。
2 ベトナムが注目されている理由
では、ベトナムへの投資が増えている理由はどこにあるのでしょうか?
よく挙げられるのは、以下の6点です。
- (1)安価な労働力・高い識字率
年間実績負担額(2012年)は、製造業ワーカーレベルで2,600ドル、製造業マネージャーレベルで12,200ドル程度と言われています。中国やタイに比べると、4割?6割程度低い金額です。
また、政府公表の識字率は90%を超えています。
- (2)政治的安定性
共産党一党の政治体制であり、宗教対立も目立ちません。
- (3)市場規模・将来性
人口は約9,000万人と言われ、インドネシア、フィリピンに次ぐASEAN 3位の人口を有します。また、2011年度の政府公表資料によると、29歳以下が50.2%を占めています。
- (4)地理的優位性
北は中国、西はラオス・カンボジアと国境を接します。東と南は南シナ海に面しており、港湾も整備されつつあります。特に、経済の中心である南部のホーチミン市は、ASEANと中国の真ん中付近に位置しています。
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(5)親日的な国民感情
ASEANの国々は基本的に親日ですが、ベトナムは日本のODAが大きいこともあり、特に親日的な国民感情を有していると言われています。
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(6)大規模な自然災害が少ない
近隣のASEAN諸国に比べ、地震・津波・台風・洪水といった自然災害が少ないのが特徴です。
以上のように、多くの魅力を兼ね備えたベトナムですが、反面、多くの課題も有しています。
日本企業が進出するに当たっては、商慣習の違い、気候の違い、言語の壁など乗り越えなければならない障壁がいくつも存在します。
なかでも、「法律」は、最大の障壁の一つです。
次回からは、「法律」に関わる問題点を、具体的に掘り下げていきたいと思います。
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