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[第4回] ベトナムでビジネスをスタートするに当たって
2014年12月23日
今回のコラムでは、ベトナムでビジネスをスタートするに当たって、どのような順序で考えればいいかをご説明します。
具体的には、以下の順序で考えていくと良いでしょう。
(1)具体的に、どのようなビジネスを行いたいのか?
↓
(2)そのビジネスは、外資に認められているのか?
↓
(3)外資に認められているとして、どのような規制があるのか?
上記の3つのポイントは、あくまで「法律」面からの要検討事項です。これ以外に、マーケット、物流、税金など様々な観点からの検討が必要ですが、今回のコラムでは、法律面に絞ってご説明します。
(1)具体的に、どのようなビジネスを行いたいのか?
まず、当然ですが、こちらは非常に重要です。
ベトナムでビジネスを行う場合、想定している事業内容を記載した投資証明書というライセンスを取得しなくてはなりません。
投資証明書については、以下の2点がポイントになります。
- ?投資証明書に記載の無いビジネスを行うことはできない
- ?投資証明書に記載したビジネスは実行しなくてはならない
投資証明書の取得手続に関する詳しい説明は、次回以降のコラムで行いますが、「行いたいビジネスを正確に把握し、投資証明書に記載する」ことが必要不可欠です。
(2)そのビジネスは、外資に認められているのか?
こちらに関して、特にサービス業に関しては、『WTOコミットメント』を確認することで、そのビジネスが外資に認められるのか判断することができます。
ベトナムは2007年にWTOに加盟しましたが、その際に、各加盟国に対し、外資に対するサービス業の市場開放を約束しました。具体的には、サービス業を11の大項目、110の小項目に分類し、それらを段階的に開放していくロードマップを作成しています。これを『WTOコミットメント」と呼びます。
この『WTOコミットメント』を確認すると、サービス業は、大きく以下の3種類に分類することができます。
- ?外資に開放すると記載されているビジネス
- ?外資に開放しないと記載されているビジネス
- ?記載されていないビジネス
上記の3種類について、いくつか例を挙げてみましょう。
?外資に開放すると記載されているビジネス
飲食業については、「2015年1月11日以降、外資に開放する」「それまでは、ホテル開発等と並行して行わなければならない」と規定されています。
?外資に開放しないと記載されているビジネス
本の販売業(本屋)については、「外資は行うことができない」旨が規定されています。
?記載されていないビジネス
リース業については、一定の物品を除き、規定がありません。このように明確に規定されていないビジネスに関しては、当局の裁量によりケースバイケースで判断されることになります。
(3)外資に認められているとして、どのような規制があるのか?
最後に、こちらは『WTOコミットメント』に加え、ビジネス毎の業法(金融機関法、不動産業法など)、政令、通達をチェックする必要があります。
いくつか例を挙げてみます。
?陸上貨物運送業
陸上貨物運送業については、『WTOコミットメント』において「2010年1月11日以降、ベトナム企業との合弁に限り、外資に開放する(外資持分は最大51%)」と規定されています。
?小売業
小売業については、『WTOコミットメント』において「2009年1月1日以降、外資に開放する」と規定されています。但し、多店舗展開に関する規制と品目規制についても規定されており、詳細は各政令や通達に規定されています。
このように、特にサービス業に関しては、『WTOコミットメント』において、以下のように、そのビジネスに関する制約の有無・程度を事前に確認することができます。
- (a)そもそも外資に認められているのか
- (b)外資100%でできるのか、それとも合弁にする必要があるのか
- (c)外資特有の規制があるのか
初期の検討段階で「法律」面の問題点を把握しておくことで、「後になって、実はできませんでした。」といった事態を防ぐことができるでしょう。
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